伝統と現代を融合させた二重機能の香立て

エン・ケ氏による禁城の文化要素を活用したデザイン

古代中国の皇族文化を現代に蘇らせ、伝統と現代の境界を取り払うことに取り組むエン・ケ氏の新作、「ヨンシー」。東洋文化における香の保管と焚き方を一つのツールに組み合わせることで、ユニークな香立てを作り出しました。

香立ては、東洋文化においては通常、保管と焚き方のための二つの独立したツールとして存在します。しかし、エン・ケ氏の「ヨンシー」は、これら二つの機能を一つに組み合わせることで、伝統的な工芸の「ハトメ」構造を再創造し、西洋の火器の構造設計と組み合わせています。

製品の外装は、禁城の二重龍壁の雲のパターン要素を再設計しています。全体としては東洋の象牙彫刻作品のように見え、東洋の美を表現しています。製品の製造には、細かい金型、模造象牙彫刻の射出製品、内装(容器)には黄楠、紅心砂香木、ローズウッドの3種類の木材が使用されています。

この香立ては、上部と下部の組み合わせで構成されており、手で前後に押すことで香炉と香立てに分けることができます。香立てから香を取り出し、香炉に挿入して点火するだけで使用できます。

このプロジェクトは2018年7月に中国の北京で開始され、2019年8月に上海で完成しました。その後、2019年12月に中国の革新的な発明特許を取得し、2020年2月にはドイツのフランクフルトで展示されました。

このデザインは、明清時代の中国の皇族文化とブランド文化、現代の家庭生活における香りの供給品への人々の好み、木製の香りと大量生産可能な現代の工芸の組み合わせについての研究に基づいています。また、伝統を打破し、二つのツールを一つに組み合わせること、歴史文化の演出と再形成には革新が必要でありながらも、元のブランド文化と製品体験が元の歴史文化と土壌から離れないようにすることなど、多くの困難を克服しています。

この作品は、中国の特許を取得し、国際的なデザイン賞を受賞するとともに、市場からも好評を得ています。エン・ケ氏の「ヨンシー」は、古代中国の皇族文化を現代に蘇らせ、伝統と現代の境界を取り払うことにより、新たな香立ての形を創り出したことで、その革新性と創造性を証明しています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: KE,EN
画像クレジット: KE,EN
プロジェクトチームのメンバー: KE,EN
プロジェクト名: Yongxi
プロジェクトのクライアント: KE,EN


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